« 蝶ヶ岳・常念岳・大天井岳・燕岳縦走 | トップページ | 一筋の力 »

2009年9月29日 (火)

チベット文化に想う

今週の月曜日のお休みに、上野の森美術館で開催されている「聖地チベットー ポタラ宮と天空の至宝」展に行ってきました

Rimg0702 チベット文化を総合的に日本に紹介するのは、今回が初めてとのこと

チベット圏の文化には、以前よりとても関心があったのでとても期待しておりました 

期待通りの見ごたえで、国宝級の仏像や仏画をはじめ、チベットの暮らしについても紹介されておりました

その中で、チベット医学についても紹介されていたのが興味深かったですRimg0701

チベット医学には、「四部医典」と呼ばれる、病理・診断・治療・薬物など医学に関するあらゆる内容を包括した総合的な医学書があります

そして、図解用の四部医典の掛け軸が展示されいたのですが、食事療法、生活療法、薬物療法、外科療法の四つが樹木の幹として伸び、さらに枝葉に分かれて、それぞれの病因に応じた詳細な治療法が示されています

鍼灸も外科療法として図解されていました  日本では鍼灸が内科的領域にも発展しているのと異なり、やはり医学にも文化の違いがでるのですねRimg0703

色々と興味深い文化を堪能できましたが、今回いちばん心に残ったのは、チベットでは医学の究極の目的が「解脱による永遠の安楽にある」こと です

治療とは何か? 考えさせられました

チベットと日本では文化・宗教観の違いもあるでしょうが、患者さんの心が不在の延命治療の意味とは何なのか。。。? 

次元が違うかもしれませんが、これからも鍼灸治療を通じて患者さんの身体だけでなく心も癒せるように努めていかなければと想った一日でした

kuma

« 蝶ヶ岳・常念岳・大天井岳・燕岳縦走 | トップページ | 一筋の力 »

日々の雑感」カテゴリの記事

コメント

 初期仏教では、輪廻してしまうことは「苦」だと考えますので、その輪廻から抜け出すこと解脱と呼んだみたいですね。そうすることで、永遠に輪廻してしまうという苦しみから逃れて、永遠の安楽の状態になれるということをチベット医学でも言っているのかなという感じを受けました。(「苦」とは、思い通りにならないことと解釈するのが分かりやすいみたいです)
 ただ、初期仏教とチベット仏教では違いも大きいので、別の意味があるかもしれないなとも想いました。

遊風先生 コメントありがとうございます
初期仏教については、まだ不勉強でよく分かりませんが、病による苦しみも業(カルマ)の一つなのでしょうから、チベット医学では治すことは業を薄めることと同義なのでしょうか!?  チベット医学について勉強したくなりました

病の原因が現代医学とは違うところにあるので、治すというよりもその病といかに対峙して、どういう態度をとっていくかが重要視されている気がしました。
遊風先生、苦:思い通りにならないこと、という解釈はなるほどと思いました。分かりやすいですね。ありがとうございました。

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: チベット文化に想う:

» 国宝 仏像 写真 [仏像の世界]
国宝の仏像はおいくら? 国宝の仏像はおいくら?日本にある国宝とされている仏像って金額に換算するといくらくらいの価値があるのでしょう?また日本で一番価値がある仏像とは何なのでしょうか?(続きを読む) 例えば法隆寺の国宝の仏像が毀損されたら、警察以外でどんな機関が対応しますか。.... 例えば法隆寺の国宝の仏像が毀損されたら、警察以外でどんな機関が対応しますか。また、どんな役職の人たちが現場に集まると考えられますか。小説を書いていますが、リアリティが欲しいので、よろしくお願いします。(続きを読む)... [続きを読む]

« 蝶ヶ岳・常念岳・大天井岳・燕岳縦走 | トップページ | 一筋の力 »