注目の創傷治療法
先日初物の栗の下処理していたら、不注意で手がすべり、包丁でザクッと左手第2指、3指の第一関節上部を切ってしまいました。
深すぎず浅すぎずの傷でしたが、血がどぼどぼ流れてくるので、右手で押さえて止血。出産を控えた身、万一貧血になるとまずい!とクマさんにヘルプを求めました。
眠そうに起きてきたクマさんに「栗の処理をしていて指を切っちゃって」と告げると、クマさん台所用のハサミを手に取り、「で、どうすればいいの?栗」
栗じゃないよー!私の指をどうにかしてくれー!(笑)
幸い10分もすると血も止まり、傷の処置に。
子供の頃は、傷に対して当然のように消毒液を塗っていましたが、最近「湿潤治療」という、消毒薬を使わずに傷を乾燥させないという処置も注目されているようです。
詳しくはこちら → 「傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学」 ( 夏井睦著 光文社新書)
消毒液は細菌も殺すが、皮膚細胞も壊してしまい傷を深くする。また、浅い傷の場合は皮膚の真皮、深い場合はその下の肉芽まで傷つけているが、その両者とも本来血流に富む丈夫な組織なのだが、乾燥には弱く、乾燥させると細胞が死滅してしまうという。
そのため、水・空気を通さないもので傷を覆うことが大事だと。傷口からは傷を治すための浸出液が分泌されるので、覆ってやれば乾燥もせず、細胞が活発に分裂し傷が治ってゆく。
水・空気をとおさないものとしては身近なものでラップがあり、傷口より少し大きめに切り当てる。その際、白色ワセリンを薄く塗ると鎮痛効果が高いそうです。
私もそれに習い、患部に白色ワセリンを塗り、ラップをし、外れぬように最小限のリント布をあて紙テープで巻きました。
皮膚の傷口がズキズキ痛んだ経験は誰にでもあろうと思いますが、紹介している医師のおっしゃるとおり、痛みが少ないのにまず驚きました。その後の回復も確かに速かったです。
これまでに、患者さんで浅い切り傷のある方にお伝えし、治癒効果は目にしていましたが、今回自分でも実践のチャンスを得て、有効性を実感することができました。
深い傷の場合は素人療法は危険ですが、傷が治る過程に合致した治療法ということで、病院にいくほどでもない浅い傷の処置としては、家庭療法として知っておく価値はあるかと思われます。
kao
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コメント
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HPだと以下が有名ですね.
http://www.wound-treatment.jp/
私も昔はラップして、固定はテーピング用テープを使ってましたが、このごろは、キズパワーパッドのスポットタイプをはり、それをテーピング用テープで固定することがおおいです。
テーピング用テープは普通の絆創膏よりもはがれにくいのが良いです。指にケガしてラップを傷の大きさに切るのに苦労してから、キズパワーパッドを買うようになりました。
かなり深い傷でも綺麗に治るので重宝してます。
キズパワーパッドの普通サイズは、はがれやすいので使わなくなりました。
指先の軽いキズは、お灸でカサブタを作ってしまうこともおおいです。擦り傷には、棒灸であぶってカサブタをつくります。カサブタの下は湿潤療法と同じかなと思います。
このあたりの治療法の変遷というのもおもしろいなと思います。
投稿: 遊風 | 2010年10月 9日 (土) 06時49分
遊風先生 コメントありがとうございます
キズパワーパッドは、夏井先生の本でも紹介されてますよね
たしかに、指をケガした状態でラップを切るのは大変ですね 今回も、カオさんは自分では処理できない状態でしたし その意味でも使い勝手のよいキズパワーパッドを常備しておく方がよいのかと思います
カサブタについて
夏井先生の上記の本によると、「カサブタの下に溜まった浸出液が絶好の感染源(細菌の繁殖場)になる」(P114)とあります カサブタの下で化膿が進んでしまう畏れがあるとのことです
ですが、お灸で作るカサブタは、また別のものなのかもしれませんね この点も機会があったら実験してみたいと思います
投稿: kuma | 2010年10月 9日 (土) 23時47分
そうなんですね。いまのところカサブタはそういう評価みたいです。
でも、私には、お灸で作るカサブタは、天然のラップみたいに思えます。
そして、化膿しても、棒灸で上からあぶれば、化膿をしずめることもできます。
小さな子どもがいると、擦り傷、切り傷、トゲ、虫さされ、打撲など、お灸を使う機会は多くなりますね。
あとは、腹痛、カゼか。
投稿: 遊風 | 2010年10月11日 (月) 05時54分
やはり、お灸でつくるカサブタは一味違いますか!
私も炎症には、知熱灸で熱を飛ばすようにしていますが、棒灸であぶるのも同じ原理なのでしょうね
末廣堂でも、小児に温灸を使うことは多いです 小学生高学年位には点灸もすることあります
ビワエキスも組み合わせれば、いろいろな疾患に、より効果が出せることを実感しております
投稿: kuma | 2010年10月13日 (水) 00時01分