鍼灸治療

2014年2月17日 (月)

多汗症に鍼灸を♪

鍼灸というと、肩こりや腰痛をイメージする方が多いかもしれません。

ですが、鍼灸は自律神経の失調にも有効です。

自律神経失調症の一つとして、多汗症がありますが、今回は、多汗症への鍼灸の効果をお伝えします。

多汗症は、交感神経が失調して、体温上昇とは関係なくエクリン腺(精神的発汗に作用する汗腺)より汗が過剰に放出される疾患 です。  

自律神経には、緊張した時に働く「交感神経」と リラックスした時に働く「副交感神経」がありますが、 精神的な緊張から この交感神経が過剰に優位になると 多汗症となってしまう、というわけです。

鍼灸治療を受けたことのある方の多くが、治療後に心身がリラックスして眠くなると言われます。  これは、鍼灸治療により副交感神経が優位になるからだと考えられます。

ですので、鍼灸をするだけで、交感神経が過剰に優位となることからの疾患は解消していくのです。

ここで、多汗症に鍼灸の効果があった患者さんの声を ご紹介します。

高校受験を控えた中学3年生の男の子です。Hasimoto_keigo_2

「僕は、手汗がひどく、テストの紙もぬれてしまい、困っていましたが、2ヶ月ほど通うようになって、かなりおさまりました。 身体も軽くなりました。 気持ちもいいです。 先生、ありがとうございます。」

東洋医学の理論の一つの五行論に「五臓」という概念がありまして、そのうちの「心」には精神を含みます。  古代中国では、精神は脳ではなく心に宿ると考えていたのです。

ただの机上の理論のように思えもしますが、この「心」に関係あるツボが この男の子にもよく出ていて かなり有効に使うことができたのです。

現代社会は 変化が激しく先が見えにくいので、緊張を生みやすいといえます。

ですので、自律神経が失調しやすい社会ともいえます。

多汗症に限らず、過度な緊張から生じる自律神経の失調に鍼灸は少なからず お役に立てると思います。

自律神経の失調で お困りの方   鍼灸もオススメです ♪

kuma

2013年12月 6日 (金)

鍼灸を楽しむ

「 鍼灸を楽しむ 」  

というと、「 患者さんが鍼灸の気持ちよさを味わう 」 という意味に思われるかもしれません。

嬉しいことに、そのような患者さんも沢山いらっしゃるのですが、今回は、施術者側の話。

「 楽しむ 」というと、苦しい思いをしている患者さんに対して失礼なような気もしますが、鍼灸をしていて、楽しいのは事実でして、ご容赦のほどを。

何が楽しいのかといいますと。。。

同じ患者さんでも、毎回の治療毎に、また一回の治療の中でも 治療の前と後、厳密にいいますと 一鍼毎に、刻々と患者さんの状態が変化していくのをいくのをすぐ側で観ているのが楽しくてたまらないのです♪

よくお伝えしてますが、人の身体は、小さな自然です。 小宇宙ともいいますね。 鍼灸を通じて患者さんの身体と対話していくのが楽しいから、この仕事を続けられているように思います。

これは、「 患者さんに鍼をしてそのまま放置して(置鍼といいます)、一定の時間が過ぎたら鍼を外してお終い 」というような治療をしていたら味わえない感覚です。

末廣堂では、治療の最初から最後まで、1人の施術者が責任をもって担当し、施術の途中で別の患者さんの施術に移っていくようなことはありません。 患者さんと施術者との一対一の治療です。

少々手間がかかりますが、患者さんとのコミュニケーションを楽しめることは 掛け替えのないひと時なのです。

患者さんの心や体と対話する鍼灸

末廣堂では、これからも 患者さんの心と体に寄り添い続けたいと思います。

kuma

2013年11月 1日 (金)

坐骨神経痛に鍼灸を!

最近、ようやく秋めいてきましたね。 今週は気持ちのよい秋の天気です♪

ですが、すぐに冬の足音が聴こえてきそうな季節  気を抜くと朝晩の冷え込みで体調を崩しそうでもあります。

これからの季節で最も気を付けなければならないのは、やはり「冷え」です。

東洋医学では、身体の外から身体に負担をかける冷えを「寒邪」といいまして、病を引き起こす原因の一つと考えております。

この寒邪が大きな原因となる症状に、坐骨神経痛があります。 足元からの「寒邪」が悪さすることが多いです。

坐骨神経痛を発症すると、「お尻のほっぺたの部分」や 「太ももやふくらはぎの小指側(外側)」に、痛みやシビレ感が出てきます。

痛みは、 症状が激しいときは雷が走るような激しい痛みとなります。 慢性化してくると、絞られるような重ダルい痛みとなっていくことが多いです。

この坐骨神経痛  鍼灸が非常に有効な症状の一つ と断言できます。  

というのも、神経痛の原因が、腰やお尻の「 どうしても手では届かないような奥深い 」部分の「 非常に硬い 」シコリであることが多いのです。  私の拙い臨床経験ではありますが、このシコリが坐骨神経を刺激して痛みやシビレ感を生じさせる主な原因であると感じます。

「 どうしても手では届かないような奥深い 」ところにシコリがあるので、手よりも鍼が有効です。 

また、シコリが「 非常に硬く 」なってくると(場合によっては、石のように硬くなります)、これまた、鍼の方が手よりも大きく変化させることができるし効果も長持ちすると実感してます。

そういうわけで、私たちは 国家資格のあん摩指圧マッサージ師でもありますが、坐骨神経痛には鍼灸治療をオススメしております。

ここで、当院に坐骨神経痛で来院された方の声をご紹介いたします( クリックすると、拡大表示されます )。

40代 男性 H.G.様 Gunjima_hiroji

「座骨神経痛の痛みの改善という事で、お世話になっています。 鍼で体の緊張を解いてもらい、体がリラックスしていくのが解りました。 一回の施術で痛み止めが不要となりました。 今まであきらめていた肩のコリも楽になってきました。 鍼の施術は痛いという事はなく、むしろ気持良いという事が驚きでした。 先生!ありがとうございます。」

20代 女性 E.S.様Simizu_eri

「起きても寝てても、座ってても立っていても 痛かったのに 1回の治療でかなり痛みがなくなりました。 夕方の足のむくみも少ないことも感動です。 痛みがなくなると、すぐに安心してしまうけど、定期的に通うことが必要なのだと実感しています。 本当に体がしんどい時に駈けこめる場所があるだけで、心に余裕がでるのかも!!」

この坐骨神経痛 患者さんの中には、ただの腰痛(←筋膜のトラブル)と勘違いしている方も多いです。 そして、放置しているうちに悪化してしまうパターンも多いです。

神経痛は、痛みの原因が解消しても直ぐにはスッキリ痛みがとれない場合もあります。 「薄皮をはぐように、徐々に」痛みが薄れていくことも多いです。

ですので、重ダルい痛みが長引くことも多く、悪化させる前に対処することが肝心です。

足首から先を冷やさないだけでも、症状の悪化を和らげることができます。

「寒邪」を甘くみることなく、養生していただきたいと思います (o^-^o)

kuma

2013年7月19日 (金)

町のかかりつけ鍼灸師を目指す

鍼灸師になる前、鍼灸を学び始めた頃の話です。

鍼灸で難病を治療できるようになれたらとの想いがありました。 東洋医学の無限の可能性に期待を膨らませていたのです。  そのようになれてこそ、鍼灸師となる意義があるようにも思っていたと記憶してます。

今でも その想いは持ち続けていますが、少し考えが変わってきてもいます。2008

町の鍼灸院を営んでいると、色々な症状を訴えて色々な方々が来院されます。 

腰痛・肩こりのような比較的単純な症状から 認知症・パーキンソン病・癌など なかなか難しい症状まで様々です。

難しい症状の方が来院されると、正直 鍼灸師魂に火が付いて気合が入るのは確かです(笑)

 

だからといって、腰痛や肩こりのようによく訴えられる症状だからといって軽くみることはありません。   そのような一見 単純に見える症状の裏に大きなリスクが潜んでいることもあるからです  ( 以前、坐骨神経痛を訴えていらした方の症状の原因が腰骨に転移した癌によるものであることがありました。 )  

ですから、一見 単純に見える症状のときにこそ、患者さんの言葉や身体の使い方にアンテナを張って、様々な可能性を考えることを心がけてます。

そして、単純なコリや痛みの訴えを的確に変化させて、患者さんの生活の質を向上させることも、難病の治療に負けない位 意義のあることだとも思っております。  単純なコリや痛みが積み重なって 症状が複雑に絡み合い、酷い状態に変化していくこともあるのです。

ですから、単純なコリや痛みの訴えでも手を抜くことはありません。

日々の臨床では、単純なコリや痛みの訴えは、けっこう多いものです。

「 単純な症状を的確に変化させて、重篤な症状の予防を図る 」  そのような町のかかりつけ医のような鍼灸師になれたらと今では考えております。

鍼灸院の中には不妊専門など専門特化した鍼灸院もありますが、末廣堂では 特に専門を謳っておりません。  それには、様々な症状に対応し、町のかかりつけ鍼灸師となれたらとの想いが込められております。

ご縁のあった方々に 出来るだけ気持ち良い生活を送っていただけるように、私は、これからも町のかかりつけ鍼灸師として精進していくつもりです。

kuma

2013年6月29日 (土)

温泉鍼灸♪

「温泉に入ったみたいに身体がポカポカしますね」

鍼灸治療後に よく耳にする感想です。

この感想を聞くことができたとき、私は 心の中では「よっしゃ~」といっております(笑)

なぜなら、鍼灸治療の目的は、気・血・水の巡り( ← ざっくり言えば、血流です )をよくすることにあるからです。 

血流がよくなれば、身体の隅々まで栄養が運ばれますし、不要な老廃物も血流に乗って肺や腎臓から排泄されていきます。  そうなれば、身体は生命力を取戻し、治癒に向かっていくのです。 これが、自然治癒力であります。

つまり、自然治癒力を発揮させるためには、血流をよくすることが不可欠な一要素なのです。 

温泉に入って身体がポカポカしてくるのは、温泉自体の温かさも影響するでしょうが、温泉を出た後もポカポカするのは、血流がよくなっているからでしょう。  ですから、温泉にいくと、自然治癒力が高まり、様々な症状が改善されます。 「湯治」 ですね。 

鍼灸治療をすることで 温泉に入った後のような感覚になれれば、血流がよくなったことの証ですので、自然治癒力が高まり、着実に治癒に向かっていると言えるのです♪

ここで、末廣堂に来院していただいた方の感想の中から 身体が温まった実感のある方のものをご紹介いたします。 (画像をクリックすると拡大します)Hosiiwa_yuko

「初めてで少し不安でしたが、自分にあった治療をしていただき とても体の疲れが取れて よかったです。 体の温もりが続いているのも うれしいです」(Y.H.さん60代 女性)

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「血流がとても良くなり まるで温泉に入ったみたいに身体が温まりました。 ハリの痛みは ほとんどなく安心して身を委ねられました。 野球を長年やっているので 身体の歪みと左右差を自覚していましたが かなり改善されてきました。 固くなってしまった筋肉がハリによって緩む瞬間が心地良く クセになりそうです。 筋肉が適切に緩んでくれたからか、関節の可動域が以前よりも広がり、身体が楽に楽に動くようになりました。 今後もよろしくお願い致します。」 (綱島和彦さん 40代男性)


温泉に入ったかのような鍼灸。。。温泉鍼灸

皆さんも体験してみませんか?

kuma 

2013年5月14日 (火)

鍼 と 注射針 まったく違います!

鍼灸の鍼 と 注射針

たいして違わないと思われますか?

鍼灸を受けたことのある方は、その二つが全く別物であることを
体感で よく分かって頂いています。

ですが、受けたことのない方のほとんどが、その二つの違いが
イメージできず、鍼灸の鍼を注射針と同じようなものと誤解されてます。

誤解されたまま、鍼灸を喰わず嫌いになられることは、とても残念なことなので、
今更ですが、二つの違いを お伝えしようと思います。

まずは、太さについて

鍼灸の鍼も色々な太さがありますが、末廣堂で使用するベースとなる鍼は 直径0.16㎜
体質や症状により、太さを変えることもありますが、 直径0.12~0.24㎜の範囲 です。

で、マッチ棒や注射針と並べてみると、その太さの違いがハッキリします(画像の鍼は 直径0.16㎜)Harihikaku_2
 

真ん中が注射針、一番下が鍼灸の鍼です。

次に、針先の形状について

こちらが、注射針Tyuushasaki

で、こちらが、鍼灸の鍼Harisaki

注射針は、斜めにカットされていて、顕微鏡写真をみると針先がガタガタしています。
これに対して、鍼は円錐形でキレイに研磨されています。

この違いの意味はどこにあるのかと言いますと。。。

注射針が「組織を切り裂いていく」   対して 

鍼は「組織をより分けていく」

というところにあります。

ですから、鍼を身体に刺していっても、基本的に無痛 ( 鍼独特の「響き」という感覚は別にあります ) ですし、出血することも殆どありません。

どうでしょうか  注射針 と 鍼 が全く別物であることを分かっていただけたでしょうか?

最後に、末廣堂で初めて鍼を受けた方の感想をいくつかご紹介いたします( 画像をクリックすると拡大します)。

T.N.様(20代男性) ウインドサーフィンでのトラブルで ご来院20

「痛くない! 体の力が抜けていく感じです。全身があたたかくなり、筋肉も やわらかくなります。」

M.K.様(40代女性) 不妊治療とデスクワークによる疲労で ご来院Mk40

「初めての鍼で不安でしたが 痛さもなく固まったコリが取れる感じとリゾート地でのエステ感覚にハマっています。 鍼の後は体が軽くなり、良く眠れます。」

N.K.様(30代男性) 配管工のお仕事による疲労で ご来院Nk30_2

「①整骨院に比べて、鍼治療は、一発で痛みが解消 ②鍼=痛い は無いです。」

これを機会に、末廣堂の鍼灸にご縁を頂けたら、幸いです。

kuma

2013年4月14日 (日)

穴埋め と 溝さらい

鍼灸というと、知らない方は いったい何をしているのか? 見当もつかない方も多いかと思います。

「鍼と灸って、どう使い分けるのですか?」 なんて質問も、けっこう多いです。

そこで、私たちなりに臨床の現場で何をしているのか、誤解を畏れずに、ざっくり説明させていただこうと思います。

鍼灸も東洋医学の一分野であるので、東洋医学なりのセオリーに基づいて、診立てていきます。

ですが、実際に鍼や灸をするツボを探しだすのは、セオリーだけでは決めきれず、最後のところ体表観察をしっかりして、指先で探りだしていくことになります。

ここで、探りだしたツボを大きく二つに分けて、鍼をするのか灸をするのかが決まるのです。  その二つのツボとは。。。

生体エネルギーが不足しているツボ(以下、虚のツボ) と 

身体に不要なもの(邪気、水毒、悪血)が滞っているツボ(以下、邪実のツボ) 

の二つです。

ここで、私たち末廣堂では、虚のツボには灸を 邪実のツボには鍼を 基本的に使います。 

ともに鍼だけ または、灸だけで治療する鍼灸師もいますが、 私たちの経験上では、虚には灸、邪実には鍼が もっとも効果的と実感しているところです。

いまいちイメージがつかないかもしれないので、かみ砕いて説明しますと。。。

灸の熱を利用して、エネルギーが不足してポッカリ空いたツボに患者さんの身体の別のところに余っているエネルギーをギュ~と集めてきて、穴埋めをするのです。  これを専門用語で、「補」といいます。  足りないエネルギーを「補」うというわけです。

他方、鍼は、不要なゴミが詰まった溝からスコップを使ってゴミを除いて流れるようにするようなものです。  これを専門用語で、「写」(本来の漢字には、サンズイが付きます)といいます。  「写」には本来、移すという意味がありまして、身体に溜まった余計なゴミの場所をどんどん写して(=移して)いって、身体の外に排泄させようというわけです。

鍼灸というと、何か難しいことをしているように思われるかもしれませんが、結局のところ、「 穴埋めと溝さらい をして、身体のエネルギーを均一に流れやすくしている」 だけのことなのです。

というと簡単なようですが、「ツボを的確にとらえて、キチンと変化させていく」 これが鍼灸師の腕の見せ処 

ちゃんと見せられる腕を、これからも磨き続けたいと思います!

kuma

2013年2月28日 (木)

ツボの顔

ツボというと、どのようなイメージでしょうか?

指で押してみて 「痛いところ」 とか 「気持ちいいところ」

というイメージをもっている方が多いのではないかと思います。

たしかに、 「痛い」 とか 「気持ちいい」 という感覚がないと反応点として分かりにくいでしょうから、もっともなことです。

ですが、ツボには 「無感覚」 という顔もあるのです。

押してみても、感覚がないくらい硬くなってしまっているところ とか

押してみると、押した指がズブズブどこまでも沈み込んでいってしまうようなところ

が 「無感覚」なツボの代表です。

「私は肩こりになったことがありません」 という方の肩を触診してみると、ガチガチの肩をしていることは、よくあります。  肩こりを「感じることができない」くらい肩の筋肉が緊張しているのが実情です。

では、「痛い」 「気持ちいい」 「無感覚」 どの順番で状態が悪いのでしょうか?

答えは、軽い方から並べると 「痛い」 → 「気持ちいい」 → 「無感覚」 となると言えます。

これは、おそらく、一般的な感覚とは逆ではないでしょうか? 

この感覚の食い違いが生じる原因は、痛みの意味のとらえ方の食い違いにあります。  痛み自体を悪と考えるか否かです。

鎮痛剤を多用する方が多いことからすると、一般的には 痛み自体が悪として、痛みさえ除ければよいと考えられていることでしょう。 

ですが、痛み自体は、身体の異常を知らせる警告であり、痛いと感じることは大切なこととです。  悪いのは痛みを生じさせる原因に過ぎません。

「痛い」と感じているのに、それを無視して無理をしつづけていると、身体が警告を発することを諦めて、次第に「痛いと感じることができなく」なってしまいます。  これは、おそろしいことです。

感じることができない = 死に近づいている  ともいえます。

無感覚になるくらい身体が鈍くなった状態を放置すると、いずれ大きな病を引き起こしかねません。

ツボが「痛い」という顔をしているうちに、身体の警告に耳を傾け、身体をケアすることをオススメいたします  (o^-^o)

kuma

2012年11月12日 (月)

円形脱毛症に鍼灸

今回は、ちょっと変わった症例です。

30代 女性 円形脱毛症との診断  

初診時は、患部に赤みがある部分がありつつも、触れてみると気の不足を感じる部分もある状態でした。

そこで、赤みのある部分に消炎作用のあるビワ葉エキスを塗布して散鍼(皮膚表面に浅く何度も鍼することです)して、気の不足する部分にはじっくり温灸をしてみました。

週1回のペースで来院していただくことにし、2度目の来院時にも 症状の緩和はみられるものの同様の状態なので、同様の施術。

写真では赤みは分かりにくいですが、上の写真が2度目の来院時の状態です。12915_2

3度目には赤みは消失したので、温灸のみをじっくり施しました。 このころから明らかに発毛し始めました。

で、4度目の来院時には、かなり発毛してきていました(うなじのラインを比べてみれば発毛しているのがよく分かります)。

下の写真が4度目の来院時の状態です。121021

患部に関しては、以上のような施術をしましたが、仕事による精神的ストレスがとてもかかっていた時期であったとのお話で、身体の緊張を緩和するように全身を調整してもいます。

鍼灸だけの効果とはいいきれませんが、それなりに回復をお手伝いできたのではないかと思います。

kuma

2012年11月 6日 (火)

イイ加減を目指す

「どの程度の刺激を患者さんに加えるか」

これが適切か否かで、治療が上手くいくか否かが大きく左右されます。
末廣堂では、鍼灸治療の目的を気血水の巡りを整えることと考えていて、刺激療法だとは考えていないのですが、この「刺激量」という視点は不可欠です。 

「イイ加減」の刺激量は、患者さんの体質、年齢、その時の体調、症状の程度 など、色々な要素によってサジ加減を変える必要があります。 
例えば、おばあちゃんには、フワッと包み込むようなやさしい施術をすることが多いのですが、ここはという大きな反応があるツボには何度もお灸をすることもあります。
このサジ加減が鍼灸師の腕の見せ処     適量の刺激を与えることは簡単ではないのです。
 
ですが、私は、それだからこそ鍼灸治療を続けられています。   どの患者さんにも同じような施術をし続けていたら治療することに飽きてしまいそうです。。。
 
「鍼灸以外の方法で治療できませんか?」 と言われる方の中には、以前に鍼灸受けて酷い目にあったという方も多いです。    決まって 「私には鍼灸は合わない」 と言われます。
鍼灸が合わない体質の方がいるのではなく、施術者がその患者さんに刺激量を合わせれば いいことなのです。
 
鍼を使うのか灸を使うのか、鍼をする深さ・時間・方向、灸をする壮数 など。。。その時の患者さんの状態に合わせて変えていく。。。
究極のイイ加減の施術を目指して、これからも精進していきたいと思います。
kuma